偏微分係数と偏導関数
偏微分係数
2変数関数 \(f(x,y)\) に対して、極限
が存在するとき、\(f\) は点 \((a,b)\) で \(x\) に関して偏微分可能であるという。 このとき、その値を
などと書き、\(f\) の点 \((a,b)\) における \(x\) に関する偏微分係数という。
同様に、極限
が存在するとき、\(f\) は点 \((a,b)\) で \(y\) に関して偏微分可能であるという。 このとき、その値を
などと書き、\(f\) の点 \((a,b)\) における \(y\) に関する偏微分係数という。
また、\(f_x(a,b)\) と \(f_y(a,b)\) がともに存在するとき、\(f\) は点 \((a,b)\) で偏微分可能であるという。
\(f_x(a,b)\) は曲面 \(z=f(x,y)\) を、平面 \(y=b\) で切ったときの切り口の曲線上の点 \((a,b,f(a,b))\) における接線の傾きを表す。
関数 \(f(x,y)=x^2y+y^3\) の点 \((2,1)\) における偏微分係数を求めよ。
\(x\) に関して
よって、\(f\) は点 \((2,1)\) で \(x\) に関して偏微分可能で \(f_x(2,1)=4\)
\(y\) に関して
よって、\(f\) は点 \((2,1)\) で \(y\) に関して偏微分可能で \(f_x(2,1)=7\)
偏導関数
関数 \(f(x,y)\) が領域 \(D\) 上の各点 \((x,y)\) で \(x\) に関して偏微分可能であるとき、\(f\) は \(D\) 上で \(x\) に関して偏微分可能であるという。 このとき
で定まる関数 \(f_x\) を \(f\) の \(x\) に関する偏導関数という。
また、\(y\) についての偏導関数 \(f_y\) も同様に定義する。演習問題
次の関数を偏微分せよ。
- \(f(x,y)=x^3+xy^2+y\)
- \(f(x,y)=\displaystyle\frac{2xy^2+3x^2y}{x^2-y^2}\)
- \(f(x,y)=\log(\sin x+\cos y)\)
- \(f(x,y)=\arctan(xy)\)
- \(f(x,y)=\sqrt{\arcsin{x}\arccos y}\)
- \(f(x,y)=e^{xy}\log(x^2+y^2)\)
解答
- \(f_x(x,y)=-\frac{\sin y}{\sin x+\cos y},~~f_y(x,y)=\frac{\cos x}{\sin x+\cos y}\)