ポアソン分布
ポアソン分布の定義
まず、次の例題を考えます。
ある工場では、1日に1万個の製品を生産しており、1つの製品が不良品となる確率は0.001%である。1日に不良品が10個発生する確率を求めよ。
1日に発生する不良品の個数を \(X\) とすると
であり、求める確率は
となります。 しかし、これを直接計算するのは現実的ではありません。 このように \(n\) が非常に大きく、\(p\) が非常に小さい場合、二項分布では扱いにくいです。
そこで、二項分布の確率質量関数
において、\(n\) が大きく、\(p\) が小さい場合を考察してみます。
とすると、\(n\to\infty\) のとき \(p\to0\) となります。
\(P(X=k)\) において、\(n\to\infty\) の極限を考えてみます。
つまり、\(n\) が非常に大きく、\(p\) が非常に小さいとき、\(\lambda=np\) として
と近似できることがわかりました。 このことから、次の分布を定義します。
離散型確率変数 \(X\) の確率質量関数が \(\lambda\gt0\) として
であるとき、\(X\) は母数 \(\lambda\) のポアソン分布に従うといい
と表す。
\(\lambda=2\) でのポアソン分布 \(Po(2)\) は下のグラフのようになります。
ポアソン分布の期待値と分散
\(X\sim Po(\lambda)\) のとき
ポアソン分布の再生性
確率変数 \(X_1\sim Po(\lambda_1),~X_2\sim Po(\lambda_2)\) に対して
が成り立つ。
演習問題
\(1\%\) の確率で当たりが出るくじがある。 このくじに \(100\) 回挑戦するとき、当たりが少なくとも1回出る確率を求めよ。 また、ポアソン分布での近似を使った確率を求めよ。 ただし、引いたくじはもとに戻すものとする。
解答
当たりが出る回数を \(X\) とすると、\(X\sim B(100,0.01)\) であるから、求める確率は
ポアソン分布での近似を使うとき、\(\lambda=100\cdot0.01=1\) より、\(X\sim Po(1)\) であるから