標本抽出法
標本抽出には、いくつかの方法があります。 ここでは、その具体的な方法を説明します。
単純無作為抽出法
単純無作為抽出法とは、母集団のすべての要素が等しい確率で選ばれるように抽出する方法です。 母集団の各要素に番号を振り、その番号を乱数やくじ引きで選びます。
利点:偏りが少なく理論的に扱いやすい。
欠点:大きな母集団だと、要素のリストを用意するのが難しい。
クラス40人から代表者を選ぶとき、全員に番号をつけて乱数で選び出す。
系統抽出法
系統抽出法とは、母集団の要素を順番に並べ(名簿順、番号順など)、ある番目の要素から一定間隔ごとに抽出する方法です。
利点:簡単で効率的であり、標本が全体に散らばりやすい。
欠点:並び方に周期性があると偏ってしまう。
工場の製品検査を行うとき、製品に連番を振り、10個ごとに1個取り出して調べる。
層化抽出法
層化抽出法とは、母集団をいくつかの「層」に分け、各層から無作為に抽出する方法です。 この方法は、母集団に明らかなグループ(層)があるときに使います。 各層で平均や分散が大きく異なる場合に効果的です。
利点:層ごとの特徴を反映でき、代表性が高い。
欠点:層の分け方を誤ると逆に偏ってしまう。
学年ごとに分けて、学年それぞれから無作為に抽出する。
多段抽出法
多段抽出法とは、母集団を段階的に分割しながら標本を抽出する方法です。 つまり、一度に全対象から選ぶのではなく、まずは大きな単位を選んで、次にその中の小さな単位から標本を選びます。
利点:大規模調査に便利で、コストが抑えられる。
欠点:標本誤差が大きくなる場合がある。
全国の大学生を調査したいとき、まず都道府県を無作為に選び、選ばれた都道府県から大学を無作為に選ぶ。 そしてその大学から学生を無作為に選ぶ。
クラスター抽出法(集落抽出法)
クラスター抽出法(集落抽出法)とは、母集団をいくつかの集団(クラスター)に分けて、クラスターを無作為に選び、選ばれたクラスター内のすべての個体を調査する方法です。
利点:調査対象が地理的に広い場合に便利である。
欠点:クラスター内の個体が似ていると偏りやすい。
全国の高校生の平均身長を調査したいとき、高校を1つのクラスターと考え、全国の高校の中から無作為に30校を選ぶ。 選ばれた30校に通う高校生全員の身長を測定する。